ミノウラMD640の負荷とZwiftレビュー

2023年5月10日

ミノウラのサイクルトレーナーMD640を1年間(約14000km)使った感想をご紹介します。固定ローラーとの違いやZwiftとの相性など、買う前に知っておきたいことをご紹介します。

ミノウラ MD640のおさらい

ミノウラのサイクルトレーナーMD640を紹介する画像
ミノウラのサイクルトレーナーMD640

まずミノウラのMD640をひと言で言えば、ダイレクトドライブ型の非スマートトレーナーです。主な特徴は次の通り。

  • ダイレクトドライブ
  • ネオジウム磁石によるマグネット負荷方式
  • 7段変速手動リモコン
  • 免震加工アジャスター脚
  • 静粛性の高い「神楽専用リブベルト」採用
ミノウラ公式サイトより抜粋

安価なマグネットタイプの負荷を採用しています。負荷は手元のダイヤルで調整可能。下り坂のような軽いものもあれば、力ずくでないと踏めない激坂レベルまで7段階です。

免震加工アジャスターというのは、ゴム製の脚のこと。

対応車種は、シマノの8~11速、130-135mmクイック、もしくは12×142-148スルーアクスルの自転車になります。

MD640の負荷について

買う前に知りたいのは、MD640の負荷はどれくらい強いのか?ということだと思います。この答えについては、公式HPに以下のように記載があります。

速度負荷3負荷4負荷5負荷6負荷7
15km/h2339647593
20km/h385999119145
25km/h6088145170201
30km/h76115173218258
35km/h112141222274320
40km/h142181275333389
45km/h171235360410458
50km/h215272412474540
55km/h249303468534574
60km/h281336512584601

注意すべき点は「速度」の意味です。これはフライホイールの回転速度ではないかと思います。

シンプルに軽い負荷なら速く回せますよ、ということ。

個人的には3.5辺りが平たん路に近いかと。4以上は明らかに登ってる。

登りが好きな方は、負荷を4以上にして延々と登り続けることも可能。マグネット抵抗で電気代もかかりませんので、思う存分登れます。

ところで、この表よりも高い負荷は出ないの?というご心配もあるかと思いますが、安心してください!

出ます。

パワーメーターを装着したバイクを乗せて全力で漕いでみると600wよりも高いワット数は出ます。

ただし、諸事情により確認できたのは800wあたりまで(悲)。

ちなみに公式アナウンスでは負荷は7段階とありますが、3.5とか4.5みたいなところにもダイヤルを合わせられます。説明書にも「13ステップ」と紹介されているので実際は13段階と考えて良さそう。

MD640とZwiftとの相性について

そもそも相性が悪ければ1年で14000kmも走りません!

楽しいです。

ただ、リアル感があるかと聞かれれば、ないです。前後左右に動かせませんし、ライバルの息づかいや変速音、景色との一体感、どれもありません。

これはサイクルトレーナーの高い安いに関係なく、バーチャル共通の仕様です。そういうのが必要ならZwiftではなく、地元の練習会とかレースに参加するしかない。

あくまでバーチャルですから。

足りないもの無いものを並べ立てても仕方ありません。でも、バーチャルにはバーチャルの楽しみがあります。

信号がないからトラックのようにノンストップで走れるし、自己ベストのゴースト(マリオカートみたいな機能)と競争できるし、セグメントタイムもランキングも自動集計で超楽だし、キツイワークアウトも沢山あってレースは毎日開催。

Zwiftのグループライドを紹介する画像
世界中の仲間と走れる

これは実際に体験してみるしかない。鍛えられる要素もたくさんあって、世界中のライダーがZwiftに取り組む理由がよく分かります。

この辺りは使っているうちに要領がつかめるので、心配は無用です。

Zwiftを始めたいけど躊躇している方は、迷わず始めた方がいい。

下の紹介リンクから登録すると30日間無料で遊べます(通常は25kmまで)。
>> Zwift紹介プログラムページ

MD640とスマートトレーナーの違い

10万円を超えるようなスマートトレーナーとの違いは、

  1. ペダルの重さが自動で変わらないこと
  2. ERGモードがないこと
  3. パワーメーターが内蔵されていないこと

です。

MD640の負荷は手動調整

MD640は、マグネット負荷で自動では変わりません。Zwift中に登りや下りに差し掛かっても、ペダルの重さは変わらずです。目をつぶっていたらどこを走っているのか分かりません。

このため、登りで負荷を上げるライバルについていくために、自分で負荷を上げる必要があって、

  1. MD640の負荷ダイヤル調整
  2. 自転車のギア変速
  3. ケイデンスを変える

のいずれかが必要です。

変速したりケイデンスを上げ下げするのは実走と同じで、違うのはダイヤル回すことだけ。

登りやアタックならMD640のダイヤルを1~2段アップ(負荷が一気にあがる)して、集団内の速度調整ならギアとケイデンスで微調整、ラストスプリントはダイヤルで2段~3段アップという使い方をしています。

MD640にはERGモードがない

ワークアウト中の負荷も自動では変わりません。例えば180wで5分、240wで5分とか指定されたら、ケイデンスやギアを駆使して自分で出力を調整し続ける必要があります。

MD640を使用したZwiftのパワーデータを紹介する画像
出力がギザギザなMD640のZwiftデータ

これが個人的に面倒です。ペダリングが下手なのでしょうか、一定の強度で漕ぎ続けるのが難しいです。240w指定でも、どうしても220~260wあたりをウロウロしちゃう。この点、スマートトレーナーは自動調整なのでペダリングに集中できそうです。

MD640はパワーメーター非内蔵

そして安価である理由の一つですが、パワーメーターを内蔵していません。付属のスピードセンサー(ケイデンスセンサーにも使えるもの1つ)でもZwiftできますが、できればパワーメーターの装着をおすすめします。

理由は、パワーメーターの方が正確なデータであることと、公式リザルトに記録を残すことができるからです。

スピードセンサーに対する評価は、残念ながらZwift内では大変低いです。

MD640とタイヤローラーの違い

MD640とタイヤローラーの最大の違いは、後輪があるのかないのかです。

ミノウラのサイクルトレーナーMD640を紹介する画像
ダイレクトドライブ
エリートQuboFluidを紹介する画像
タイヤドライブ

タイヤローラーは室内専用のタイヤを装着した後輪を回します。空気圧が少ないと走りが重くなったりタイヤかすが出るので、走行前の空気圧チェックが必須です。

一回当たりの時間は1分もかからずに完了しますが、1年で365日乗るとなると・・・1年で数時間を消費してしまう可能性があります。

さらに室内専用タイヤでもパンクやひび割れがあります。

固定ローラー専用タイヤのひび割れを説明する画像
ローラータイヤのひび割れ
タイヤローラーでパンクしたことを紹介する画像
固定ローラーでもパンクする

安価で魅力的なタイヤローラーですが、購入してからのメンテナンスに手間がかかります。

まとめ

安価でダイレクトドライブを採用したMD640をご紹介しました。1年で14000km乗りましたけど、故障もなく乗り続けられています。

Zwiftには先ほども書いたように、バーチャルならではの速くなれる要素がたくさんあります。鍛えたい方、仲間を作りたい方におすすめです。

メリットデメリット
タイヤかすが出ない
電気代0
自動負荷なし
要パワーメーター
MD640の評価