高齢者ドライバーの父が脳梗塞に・・・さて運転免許はどうなる?

2017年2月、高齢者ドライバーである73歳の父親が脳梗塞になった。
リハビリを経て運転適性検査に合格し、ドライブを楽しむまでの回復記録をシェアします。
脳梗塞とは?
脳梗塞とは、「脳内の血管が血栓などにより閉塞され、その先の脳細胞に酸素などの栄養が届かないために正常な脳機能が損なわれてしまう状態」のよう。
症状としては、
- 言葉がうまく発音できない、
- 手足が思うように動かせない、
- めまいなどがして倒れてしまう
があると。
父の場合は、言葉をうまく話せず階段が登れなかった。不思議に思った母親が、タクシーで医者に連れて行ったら脳梗塞でした。
早期の発見により、1週間という比較的短期の入院で済んだことは不幸中の幸いでした。
現在はリハビリにより回復。医師からの承認と運転試験場の適性検査に合格したことでドライバーとしての生活を取り戻しています。
原因は?

がん治療で有名な石原先生の著書によると
下半身の筋肉が衰退すると血液は上半身に上がってきます。下半身の筋肉の減少は活動の減少にもつながり、体温が下がります。しかも頭に血が上るという「足寒頭熱」の危険な状態になり、上半身に血液が多過ぎるために、脳梗塞や心筋梗塞など血の塊である「血栓」をつくるという病気を起こしやすくなります。
引用:石原結實著「空腹はなぜいいか?」
とのこと。
父は痩せ型で下半身は細く、高齢化とともに少ない筋肉がさらに減っていたよう。
担当してくださった医師の話では、「イモ類など食べ過ぎると良くないですので、栄養管理に気をつけてください」と。
母の話では「イモ類は好きだったので好んで調理していた」とのことなので、食生活も一因であったように思います。
治療法は?

主に点滴による血栓の治療と、高濃度酸素療法といって酸素カプセルのような室内に1時間半ほど入って、脳内に十分な酸素を取り込む治療が行われました。
翌日には口がうまく動かせないものの、手足は動いて立ち上がれていました。
口を動かすリハビリをご指導いただいたおかげで、退院する頃には会話ができてました。
退院してから2週間半の頃は、まだ話し方が遅くて以前とは違う印象。思うように身体に力が入らないとも言ってました。
リハビリは、椅子からの立ち上がりを毎日200回。椅子に座る、立ち上がるの繰り返し。
単調なので続くのか心配ですが、
- 苦しくなってきたらすぐに休める、
- 自宅で出来る
という安心感があるとのこと。
予防法は?
勉強した限りでは、やはり生活習慣が大切だということ。
高齢になるとどうしても外出が億劫になりがちですが、あえて外出して下半身を動かす。
先述の石原先生は「血液の汚れと低体温の原因は食べ過ぎ」と仰っています。
食事の量を減らすことで白血球が本来の働きをするようになって、血液もキレイになるそうです。
血液をキレイにするレシピは石原先生の著書に紹介がありますので、一読をおすすめします。
脳梗塞になると運転免許は返上?
保険の契約書を見たら、支払対象外の病名に「脳梗塞」は含まれないものの「後遺症の残るような病気」という文言がありました。
それに該当する場合は
- 医師による承認
- 適性検査に合格すること
の2つが必要だそうです。
事故ともなれば「移動が大変だった」、「運転をしたかった」では済まされない可能性があります。
保険が出ないとなると、安心して運転も出来ません。
免許返上をするのかどうするのか。
回復具合には個人差があるので一概には言えません。まずは、医師に安心して太鼓判を押してもらえるような回復を目指すしかありません。
脳梗塞発症から回復まで
ここからは回復までの様子を客観的な視点でお伝えします。
発症からひと月半
相変わらず喋り方が以前とは違うと感じる。下唇が分厚くなっていたのはおさまって、外見は以前と変わらない印象。
本人の話では、「体力が回復しない、食事(栄養)制限によって力が出ない」とのこと。
運動は朝晩の散歩。それぞれ30分程度で歩数は8000歩だそう。焦らずに気長に体力づくりを続けるしかない。
医師の話では、「出来なくなっていることがまだ明確でない。承認するorしない、という判断材料が不足している」とのこと。
発症から2ヶ月
食事制限のためか、身体に力が入らず体力が衰えて来ている様子。
朝晩の散歩も、朝のみに。
「疲れるから」というのが理由らしいが、体力をつけるためにやっているので疲れるのは当たり前なのだけれど、それが苦痛らしい。
散歩が苦痛とは、よほど体力が落ちているのか。
久しぶりに父を見た私の妻は、父の衰えぶりを顕著に感じ取った様子。散歩を続けるよう強く進言していました。
発症から2ヶ月半
父も母も顔色がよく肌がツヤツヤになっていたのには驚きました。
ほぼ砂糖なしの食事を2ヶ月ほど継続しているのですが、その効果でしょうか?
血糖値も低下して薬を減らすことが出来たことで、身体が楽になったと。
栄養管理を任されている母は「大変だよ」と嘆いていましたが、笑顔で体調は良さそう。早く慣れてもらえればと思います。
ただ、まだ口が動いていないなあと感じる。父も「手足は動くけど、口がうまく動かせない」と。
入院中に行っていた発音練習を継続するようにオススメしておきました。
発症から3ヶ月

リハビリが順調に進み、口元のぎこちなさも解消。血液検査でも回復が確認できた。
6月初旬、医師から運転の許可が降りました。
運転試験場の適性検査に合格すれば、保険が支払われる基準を満たします。
神奈川県の場合には、下記の適正相談を受けることになります。
医師の診断書など、必要書類を揃えて試験場へ。
試験内容は、
- ハンドルを正確に回せるか
- 危険を認識してとっさの急ブレーキが出来るか
- 認知テスト
以上の3項目でした。
ハンドルは試験官の指示に従って右に左にと回します。この時に、正確に素早く回せるかをチェック。
急ブレーキテストでは、ブレーキ合図から素早く急ブレーキが出来るのか、コンマ何秒で出来るのかチェック。
テスト前、何回も遅い!弱い!と指摘を受けて練習してました。
本番では無事に合格できました。
認知テストでは、「数種類あるランプのどれが光ったのか、素早くボタンを押す」というテスト。繰り返し受けましたが間違えることなくクリア。
認知機能には問題はなかった。
これで、医師の承認と免許試験場の適性検査の合格がいただけた。
この後は、警察署へ届け出て「運転を許可する通知」なるものを頂いてから運転再開となります。
高齢者ドライバーの父が脳梗塞に:まとめ
父は、翌日にはうまく口が動かないものの手足も動き、立ち上がれていました。
母による早期発見、医師の適切な治療とリハビリで順調に回復できた。それでも完全回復までは丸3ヶ月を要しました。
発症後の父を見ていて、人間は身体が思うように動かないと、心までも弱々しくなってしまうものだと感じた。
身体が思うように動かなくなっても、諦めずにリハビリに取り組むことの大切さ、病気の怖さ、生活習慣の大切さを改めて学ばせていただきました。